高坂SAで出会う至高の磯揚げ『まる天』——ドライブ旅を格上げする逸品
旅の途中、高坂サービスエリアで運命の出会い 北陸への道中、関越自動車道を走ること数時間。ちょうど昼下がり、小腹が空き始めた頃、高坂サービスエリア(下り)に立ち寄った。ここはただの休憩スポットではない。グルメがひしめく、まさに「サービスエリアの楽園」。 その中で、私の足が自然と向かうのは決まっている。磯揚げの名店「まる天」。 「まる天」——伊勢志摩の味を埼玉で味わう贅沢 「まる天」は、三重県伊勢市に本店を構える磯揚げ専門店。海の幸を贅沢に使った揚げたての磯揚げが名物で、本来なら伊勢志摩まで足を運ばなければ味わえない逸品だ。しかし、ここ高坂SAではその味が手軽に楽しめる。 伊勢の海の恵みが、まさか関東のど真ん中、それも内陸の埼玉県で食べられるとは。歴史好きとしては「海と縁のない場所で海の味覚に出会う」というシチュエーション自体がたまらない。江戸時代なら「伊勢参りの帰りに海の幸を持ち帰る」ことが旅の醍醐味だったが、令和の時代、高坂SAに寄るだけでその願いが叶うとは、なんとも粋な話である。 看板メニュー「たこ棒」——シンプルゆえの究極 まる天で外せないのが、「たこ棒」。 これは、名前の通り、たっぷりのタコが練り込まれた棒状の磯揚げ。ひと口かじると、まず感じるのはプリプリと弾けるタコの食感。さらに紅ショウガがピリッとアクセントを効かせ、全体のバランスを整えてくれる。シンプルだが、シンプルだからこそ素材の良さが際立つ逸品だ。 揚げたての熱がほんのり指先に伝わる。噛むたびに、ふわっと広がる魚の旨味とタコの歯ごたえ。この一体感が絶妙で、まさに「職人技の極み」を感じる。 病みつき注意!「海老マヨ棒」 「たこ棒」が基本なら、「海老マヨ棒」はクセになる応用編。 海老の旨味とマヨネーズのコクが絶妙に絡み合い、濃厚な味わいが口の中で広がる。この甘じょっぱさが、なぜか次のひと口を誘う。「あと一口だけ……」と言いながら、気づけば一本まるごと完食してしまう危険なやつである。 とろける贅沢「チーズ棒」 女性人気No.1の「チーズ棒」。 熱々のすり身の中からとろ〜りチーズが溢れ出し、磯の香りとミルキーな風味が口の中で溶け合う。これはもう、ほぼ「飲み物」だ。揚げたてを頬張る幸福感たるや、ドライブ中の疲れを一瞬で吹き飛ばしてくれる。 まる天を100%楽しむ食べ方指南 ここで重要なのが、食べ方の極意。 串のままガブリといく 「棒シリーズ」は、そのまま豪快にかじりつくのが正解。お土産にして夕飯の食卓に並べるのもアリだが、薄切りにするのはおすすめしない。あの食感、あのジューシーさは、棒のまま頬張ることで完成する。 小さな子どもにはカットしてあげよう 串があるので、小さな子には注意が必要。適当なサイズに切って食べやすくしてあげるのがベター。 胃もたれ知らず、旅のお供に最適 磯揚げは揚げ物だが、すり身を使っているため意外と軽い。油っぽさがなく、胃もたれしにくいので、長時間のドライブにもぴったりだ。 高坂SAで「まる天」に立ち寄る価値 サービスエリアのグルメには「ついでに食べるもの」と「これを食べに立ち寄るもの」の二種類があるが、まる天の磯揚げは明らかに後者。事実、首都圏からわざわざここまで足を運ぶファンもいるという。 伊勢志摩の味を気軽に楽しめるこのスポット、単なる休憩所ではなく、グルメ目的で訪れる価値がある。ドライブの途中で立ち寄るだけで、ちょっとした旅行気分が味わえるのだから、旅の楽しみが一つ増えること間違いなし。 まとめ 「たこ棒」「海老マヨ棒」「チーズ棒」。 どれも一級品でありながら、気軽に食べられる磯揚げの魅力。高坂サービスエリアに立ち寄ったら、迷わず「まる天」へ。そして、串を手に取り、そのままガブリとひと口。きっとあなたも、この磯揚げに恋をするはずだ。 さあ、次のドライブの目的地は決まった。北陸へ向かうその道すがら、まずは高坂SAで「まる天」を味わうことから始めよう。